ショートショートショート takumi’s blog

今週のお題「ゴールデンウィーク2017」で短編小説  小さな友達、大きな友達。

小さな友達、大きな友達。

 

 

 

◇なあ、今スマホでネット漁っててさ、なんかオモロイのないかなって。

 

◆ああ。

 

◇それでさ、よくわかんないブログみたいなサイト見つけてさ。

 

◆うん。

 

◇それ見てたんだ、全く知らない奴がどうでもいいこと書いてる的なブログを。

 

◆だからなによ、そのブログがどうしたんだよサクサク喋れよイライラすっから。

 

◇すーぐそうやって怒るよなお前、そんなんだから彼女にフラれんじゃね。

 

◆は ?  お前がちんたらちんたら何の話かも見えないまま喋るからイラついて怒鳴っただけだろ、それなのにそこに、おれが女にフラれたことを絡めて突いてくるのはおかしくね ?

 

◇いやいや、違うよそれはお前が捻くれ者だからそう感じるんだわ、おれとお前は付き合い長い友達だよな。

 

◆ああ、それがどうしたよ。

 

◇だからさ、お前はさ、いつもさ、おれにもさ、自分の女にもさ、そんなちょっとしたことでさ、イラついてさ、怒鳴るからさ、お前のそういうところがさ、原因ってのもあってさ、女にフラれたりさ、するわけじゃんさ、おれはさ、お前にはさ、こうさ、うんとさ、目一杯さ、なんかて言うかさ、幸せになってもらいたいわけさ。

 

◆だからなんなんだよお前、バシッと言えよ答えをよホント腹立つわお前、あー、あとお前が、さーさーさーさー言葉の終わりにつけて言って変なキャラクター演じて気持ち良くなりながらおれに話してることはスルーするからな、そこも込みで腹立つわ。

 

◇お前ってまじ人の気持ちを汲み取れないクソ野郎だよな、重要なワード、お前におれは幸せになってもらいたいっていう部分をスルーしちゃダメだろ、むしろその部分に怒鳴って欲しかったわ、おれなら、さーさーさーさー言ってることスルーするなら、あえて自分も言葉の終わりに、さーさーさーさーつけて話を返してやるけどな、全くお前はわかってない、全くだぞ、全くってわかるか、わかるよな ? ゼロってことだぞ、一つもわかってないってことだぞ。

 

◆いやあ、今、おれ、お前のことめっちゃぶん殴りたい。

 

◇はいー、出ましたー、暴力を匂わせる発言をしてそれ以上言うなと脅す奴ー、そして暴力を心の盾にすることで自分があくまでも正しいと自分に結論づけて安心したくて、さらには、実際ぶん殴っても殴られるようなことを言ったお前が悪いと最後の最後まで貫ける自分の中での保険もかけた用意周到で悪質極まりない、いつもの声より1、いや、2、3オクターブ下げて言った、お前のことめっちゃぶん殴りたいだという解釈でおれはいいのかな ?

 

◆どうでもいい、うざすぎて途中から聞いてないし、まじどうでもいい、ただおれが話してる途中にお前のことをぶん殴らなかったことはおれの優しさだわ、感謝しろ。

 

◇はい、質問です、感謝しろというのは何故に僕はあなたに感謝しなければならないのか、それとも心の中では感謝なんか全くしていないのにポーズだけの感謝でもあなたは納得できるのか ?  それともう一つ、何をもってして感謝というのか、そちらから、そちらが思う感謝の定義を教えてもらわなければ感謝の捉え方も人それぞれですし、そちらの感謝に見合った感謝を僕はしなければ感謝の方向性の違いで余計にあなたと僕の間に亀裂が生じ争いになるんじゃないかと、あなたの言葉足らずのせいで僕は杞憂しなくてはならなくなるのですよ、それはそれはとてもとても無駄な時間です、それはお互い利口なやり方ではない、だから質問したんですよスマートに話を進めるためにね。

 

◆もういいよ、わかったおれの負けだ、勝手にスイッチ入っておれの殴るって言ったことなんてどうでもいいのに喋ってただけだろ、お前のオナニーに付き合うの限界だわ。

 

◇バレてたとはね。

 

◆お前のさっきしてた話つづけろよ、ブログがどうたらこうたらって話。

 

◇あー、悪りぃ、なに話そうとしてたか忘れたわ。

 

◆おいおい、忘れたってお前それじゃ、ただただ変なキャラクターになりきって気持ちよく感謝の定義はとか、どうでもいいこと気持ちよく話すだけ話しておれに顔射でぶっかけてイッたみたいなもんじゃねえかよ、ぶっかけられ損だわまじ。

 

◇いや、嘘だよ本当は覚えてるよ、ここは、ここはよ、お前が途中で遮られてたブログの話をつづけろと返ってきたから一回、外すべきかなと。

 

◆なんだそれ、なんだその絶対に理解したくないお前の中にある、しょうもない会話の自分ルールは。

 

◇いいじゃん、どうせ暇なんだし、まーたそうやってすぐ怒る、そんなんだから女にフラれるし、包茎なんだよ、違うか、すぐ怒る包茎だから女にフラれたのか。

 

◆おい、おれがすぐ怒るから女にフラれた、ここまではまあ、わかるわ、おれは包茎じゃない、むしろズルムケだムケすぎてカリ首が毎年冬になると寒いくらいだわ、てかお前おれが包茎じゃないって知ってるだろ、知ってて言ったろ。

 

◇知ってるね、ほら、この間お前と一緒に4Pしたときお互いのチンコ否が応でもすげえ目に入ったもんな、しかもお前途中で中折れしてたしな、だからお前の萎えてピロピロしてたチンコも目に焼き付いてるね、おれ記憶力いいからな。

 

◆それはお前が、おれとおれが相手してた女に見せつけるように四つん這いになって散々アホみたいにお前のアナルを舐めさせた女にそのまま流れるように、おれにキスさせたからだろ、おれが女と69の体勢になって逃げられないことを確認してからな、なんかあるなと思ったんだわ、その女がおれにキス迫ってきたときお前の顔見たら、お前、薄っすら笑ってたからな。

 

◇いや違う、お前間違ってる、勘違いしてる。

 

◆どこがだよ、薄ら笑い浮かべてたろ、そんでお前があのアナル舐め女におれにキスしてこいって唆したんだろ。

 

◇それはそうだよ唆したし、そりゃあ、薄ら笑いは隠せなかったよ、潔癖なところあるお前が、おれのアナルと関節キスしようとしてたんだからな、違うのは、おれは、お前とお前が相手してた女に、おれが見せつけるようにって部分だよ。

 

◆違うのかよ、てか、なにが違うのか言ってる意味がわからないけど。

 

◇おれはな、お前にだけ見せつけてたんだよ、いつもより大きな声でオーバーリアクションしてな、お前におれがアナル舐められてるところ見て楽しんで欲しくてさ、そこ勘違いして欲しくない絶対にな、報われないだろおれが、頑張ってお前に楽しんでもらおうと必死こいてたんだぜ、おれなりにお前のためになればいいなって。

 

◆全然嬉しくないぞ、全然嬉しくないからな、お前はそこを勘違いしてる、おれはお前がアナル舐められて感じてるとこを見るのが好きではない勘違いしてるのはお前だ、もっと言うと、おれはそもそも乱行ってか複数でヤるの嫌いだ、お前がやろうやろう言うから仕方なくヤっただけだぜ、お前にために気を使ったのはおれの方だわ確実に。

 

◇そしたらお前が中折れしてから、しばらく女たちとの間に変な空気流れたしな、まあなあ、中折れすることだってあるさ気にすんな、おれだって明日急に中折れするかもだしさ、気にしすぎるのが一番ダメだぜ、そのうち治るって。

 

◆なにお前急におれのこと毎回中折れして悩んでる人に変換して、そしてその中折れで悩んでる友達を励ます良い奴を演じちゃってんの、ブログの話どこ行ったよ。

 

◇だなアナルとチンコの話は飽きたしな、うーんと、スマホで検索して探してました、なにかネットにオモロイのがないかと、そしたら、よくわかんないブログにたどり着いた、よし思い出してきた。

 

◆そこまではおれも覚えてる、それでどんなブログだったんだよ。

 

◇それがさ、オモロイブログだったんだよって話じゃなくて、そのブログで募集してたんだよ、お題を、多分、そのお題に関することをブログで書いて応募するみたいな感じのやつだと思うんだけど。

 

◆毎度のことだけどお前の話は先が全然見えないよな、まあいいわ今に始まったことじゃないしな、つづけて。

 

◇そんで、そのブログで募集してた内容が、今週のお題ゴールデンウィーク2017」

 

◆え、ありきたりなやつだな、そんなありきたりなお題になんでお前が食いついたんだ。

 

◇いや、だってさ、今、世の中はゴールデイウィークで連休なわけじゃん、恋人や家族と旅行しちゃってさ。

 

◆まあ、そうなんだろうけど、それこそ今更じゃね、おれらにしたら。

 

◇だから、そこだよ、そこ、おれが引っかかった理由は、おれらはさ、おれらの日常が普通になっててさ、世の中がゴールデイウィークで連休とかってのは、どこか遠い遠い名前も知らないような国での出来事だと思っちゃってるんだって。

 

◆珍しくお前が言わんとしてることがわかるわ。

 

◇だろ、別にこの生活に後悔してるとかじゃなくて、気づいたら麻痺しちゃってたんだよ感覚が、だからさブログのお題見て、ふと思い出したんだよ、ガキの頃はさ、ゴールデンウィークだ夏休みだ正月だお年玉だっていうウキウキ感しかなかったじゃん、そのウキウキ感を忘れてたなぁってさ。

 

◆感覚を忘れてたな確かに、連休のウキウキ感が手の届くところにないっていうか。

 

◇でも今思ったけど、また忘れたら、また思い出せばいいんじゃねって、おれ絶対忘れても思い出して、またお前に同じこと言う自信あるし。

 

◆無駄に説得力あるわ、お前なら100パーなにかのきっかけでまた思い出して、おれに言う、すげえ話が脱線しながらな。

 

◇あーあー、世の中はゴールデンウィークでお昼休みもウキウキウォッチングですわー、あー、テレフォンショッキングに出てタモさんに会いたかったよー、いいともなんで終わっちゃうかなー。

 

ゴールデンウィークとタモさん全く関係ねえから。

 

◇固いこと言うな、つまんねえ男だな、宇宙規模で考えたら似たようなもんだろ、そんなことより、そういえばお前のゴールデンウィークの思い出ってなに ? ないか思い出なんか、つまんない男だしな。

 

◆今、パッと思い浮かんだのは。

 

◇おお、浮かんだか、ゴールデンウィークの思い出が。

 

◆お前が女にフラれてってか騙されて荒れててさ、その頃おれらシンナー卒業してマリファナに移行したあたりで草キメたはいいけど気分落ちてるときにキメるとバッドに入ってどうしようもなくなるって知らなくて、落ち込んでるお前にこういうときはマリファナだろって先輩におまけでもらった大麻草をどんぶりご飯の上に載せた大麻丼食わせて現物も吸わせたらラリったってより酔っ払ったみたいにベロベロになって。

 

◇ああー、あったあった、お前とは違ってフラれたんじゃなくて騙してることがわかったから離れたんだよフラれてはいない、何年前だっけそれ ?

 

◆三年前だなおれ四月生まれだから単車の免許取ってすぐだったから覚えてる、んで、お前テンパって急に外出てさ、頭痛いから傘買ってくるって意味わかんないこと言いながらさ、それでおれ追いかけていってさ単車押しながら。

 

◇よく覚えてるなお前そんな細かく、おれも覚えてるけど、ほらおれ記憶力いいからさお前よりな、それであれだろ、おれなぜか、お前の家に向かってたんだろ。

 

◆うん、こいつ確実におれの家向かってるわって気づいてそのまま声かけずに、ついていったら、おれの親父がやってる工務店の資材置き場の方へおれから逃げるように走って行って、おれがバイク押しながらお前のところに着いたら現場で使う発電機に入れるガソリンが入った携行タンクのフタを開けて直接、注ぎ口に口つけてガソリン吸ってハイになろうとしてて、それが見てて面白くて二人でワーワーしばらく騒いでたよな。

 

◇確かにすげえ面白かった、おれはあのガソリンのおかげで前向きにハイになれたんだよ希望が見えたよね、そしたらお前の家に資材置き場で誰か騒いでるって苦情きたらしくて、お前の親父さんクラウンでやってきてゴルフクラブ片手に怒鳴りながらこっちに向かってきてな、すげえビビったの覚えてる、どこの若い衆だ、って怒鳴りながらだったから余計ビビったわ。

 

◆打ちっ放しで結構な時間、練習してコース出たのに下手で恥かいてプライド傷ついてすぐゴルフ辞めたくせに、調子こいてクラウンのトランクに常にキャディーバッグ積んでたからなあいつ、でも、騒いでたのがおれとお前だってわかってホッとしたはず。

 

◇親父さんホッとしてたかあのとき、すげえ剣幕でおれらに怒鳴ったじゃん、お前ら変な薬やっておかしくなってんじゃねえだろうな、って、そんで今すぐ出て行け散れ、殺すぞ、って怒鳴られて、携帯でヒカルとチナツ呼び出してラブホに避難したんだよな。

 

◆親父こそ酔っ払って飲酒運転で資材置き場に来たくせにな。

 

◇酒臭かったもんな、でもお前の親父さん現場帰りだか夕方よく缶ビール飲みながらハイエース運転してたもんな、おれ何回も見たことある。

 

◆おれが小学生の頃に飲酒運転で自爆事故起こして電柱に突っ込んで内臓破裂してるのにまだわかってないからな自分のヤバさに。

 

◇ニュースになったもんな新聞にも載ってたし、でも学校でお前そのときヒーローだったじゃん、タクミくんのお父さん事故で入院だって、ニュース出てた新聞出てた、内臓破裂ってなに、なにそれカッケー、みたいな感じでさ。

 

◆一番面白がって騒いでたのお前だけどな。

 

◇でも面白いのはお前の親父さんだよマジで、退院して少ししてから普通に運転してたからな免許取り消しなってるのに。

 

◆それにはさすがにいつも親父の言いなりの母ちゃんがブチギレて運転辞めなかったら別れるって言ったら、自動車学校に通う前の練習だってつまらん言い訳してゴネてたけど、ばあちゃんがブチギレたら辞めたな、自分で話してて懐かしいわ。

 

◇うん懐かしいな、つまりだ、おれらのゴールデンウィークの思い出は三年前におれが女に妊娠したって言われて中絶費用二十万騙し取られて落ち込んでマリマファナとガソリン吸っておかしくなって、お前の親父さんに怒鳴られたってことか、でも待て。

 

◆なにが待てだよおれは犬か、おれは猫派だぞ。

 

◇お前の親父さんが三年前のゴールデンウィークに、どこの若い衆だ、っておれらに怒鳴った三年後の2017年のゴールデンウィーク、おれらは本当に暴力団の若い衆になって、こうやってお前と二人で事務所当番をしているって思うとなんか、心にグッとくるものがあるな。

◆ねえよ、グッときてたまるか、安い男だなお前は、そんなんで心にグッとくるとか言ってると偉くなれねえぞ、一生事務所当番してろ。

 

◇安くないぞ全然安くないぞ、おれの心はピュアなんだよ、わかんないかなー、お前にはおれのこの、緑豊かな渓谷に流れる川のような澄んだ心がわかんないかなー。

 

◆おい。

 

◇おいってなんだよおい。

 

◆来年のゴールデンウィーク東京行こうぜ。

 

◇東京 ? なにしにだよ、やだね人酔いしてゲボ吐くと悪いし。

 

◆タモさんに会いたいんだろ、さっき言ってただろ。

 

◇おおお、タモさんに会いたい、ちと待て、いいとも終わっちゃったしアルタ行ってもタモさんに会えないじゃん、どこにタモさんいるか知ってんのかよ。

 

◆知らない知るわけがないだろ、東京行ってブラブラしてたら会えるかもしれないだろ。

 

◇まあ確率はゼロじゃないわな。

 

◆とりあえず、数年後のゴールデンウィークにまたお前と笑えて話せる思い出作りに行くんだよ。

 

◇お前の口からそんな感動しちゃうセリフが聞けるとはな思いもしなかったわ、おれのアナルと間接キスしたおかげだな。

 

◆うるせえ死にやがれ殺すぞ。

 

◇そう簡単に殺されないけど、確かにお前の言うこと一理あるわ、お前と東京行くまでなんか下手打ってさ誰かに殺されないように、パクられないようにしないとな。

 

地震と警察は突然やって来るからな。

 

◇おーい、みんなー、アナルがなんか言ってるぞー。

 

◆アナルでもなんでもいいけど、お前死ぬなよ。

 

◇お前もな。

 

◆思い出でゴールデンウィークを感じるってのも、おれららしくて悪くないな。

 

◇だな、おい、アナル、電話の時間だ、さっきおれ定時連絡かけたから次アナルの番な。

 

◆お前おれが死ぬなよって真面目に言ったから照れてアナルとか急におれのこと呼び出したんだろバレバレだぞ。

 

 

 

 

 

 

 

◇来年のゴールデンウィーク本当に東京行こうな一緒に。

 

◆おう。

 

 

 

終わり。